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一般的な会社は「お客様は神様である」と言ったり、上場している会社は「株主第一」と言ったりするかも知れません。どの言葉も一理ありますが、僕の考え方は全く違います。いちばん大切にすべきなのはお客様でもなく、株主でもなく「従業員」です。経営者は、お客様・取引先・株主を考える前に、自分の会社の従業員を幸せにすること、従業員に喜んでもらうこと、従業員の働きがいを “第一” に考えることに専念すべきだと考えています。従業員が幸せにならなくて、従業員が楽しくなくて、従業員が成長・貢献できなくて、どうしていい商品・サービスがつくれましょうか？従業員の不幸せ、従業員の苦痛、忍耐、従業員の不安・不信の上にかろうじて成り立っているような会社が「いい会社」であるわけありません。「いい会社」だけが、お客様・取引先・株主をも喜ばせるのだとしたら「いい会社」になるためにもっとも大事にするべきこと、幸せにするべき人は、自分のところの従業員だということになるのではないでしょうか？

2020年12月22日から新しい時代がやってきます。“依存・所有” から “自立・共有” の時代に突入し、会社は終身雇用制度を廃止し、入社時から副業・復業を歓迎し、50歳になれば個人事業主・起業への道を、会社から強制的されるような時代になることでしょう。では卓越した経営者が、これから従業員を “雇用” するときに、いちばん大切にすべきことはなんでしょうか？　会社の「成長のため」に雇用するのでしょうか？　従業員を「50歳まで雇うため」でしょうか？　僕の考え方はまったく違っております。これもまた、いちばん大切にすべきことは「従業員の幸せのため」に雇用するということです。会社が従業員を雇用するということは、その従業員・家族の後先の人生まで背負う覚悟をしなくてはいけないということです。いつの日か、雇用関係がなくなるのであれば、全従業員が、個人事業主・法人主として、経営・起業ができるように“教育・育成”しなくては無責任です。それができないのであれば、あらかじめ「経営ができる人」を雇う必要があると考えております。そうではなくてはお互いにとって、未来には不幸しか待っておりません。

こういう発想と実践のともなう経営が、いまこそ求められているのではないかと僕は思います。